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デュエットナイトアビス:ガチャもスタミナも撤廃したアニメRPG、その思い切った設計と現実


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yomiqo 2026-05-12 41
二重螺旋
  • ゲーム名:デュエットナイトアビス(Duet Night Abyss)
  • 開発元:Hero Entertainment(英雄遊戯)傘下 Pan Studio
  • グローバルリリース:2025年10月28日(PC / Android / iOS)
  • Steamリリース:2026年1月20日
  • Steam評価:賛否両論(67%好評)

この数年、アニメ系RPGの課金モデルは、いわゆる「原神式」のガチャにほぼ統一されてきた。キャラと武器が同じガチャに入っていて、天井までの回数も決まっている。プレイヤーはその仕組みにすっかり慣れてしまったし、運営側もそれでしっかり収益を上げてきた。

ところが2025年末にリリースされた『デュエットナイトアビス』は、その当たり前を根本からひっくり返した。

キャラガチャを廃止。武器ガチャも廃止。さらにスタミナ制まで撤廃。全キャラと全武器はすべて無料で入手でき、課金要素は外見(スキン)だけ。言ってしまえば、アニメRPGの一番おいしい収益源を自ら手放したわけだ。

これが蛮勇なのか、それとも先を見据えた一手なのか。

ガチャもスタミナもなし。じゃあどう遊ぶのか

二重螺旋

まずは基本情報から。

『デュエットナイトアビス』は、Hero Entertainment(英雄遊戯)傘下のPan Studioが手がけるファンタジーアクションRPGだ。舞台は魔法と機械が共存する大陸「アトラシア」。角を持つカロン族が”悪魔”として迫害される世界で、プレイヤーは人間とカロン族というまったく立場の異なる二人の主人公の視点を切り替えながら物語を進めていく。

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主な特徴を整理すると:

  • 全キャラ・全武器を無料で入手できる:ゲーム内の「委託密書」システムで、特定のキャラの欠片を指定して集めればアンロックできる。ショップで欠片を直接買うことも可能で、一気にキャラを揃えることもできる。
  • スタミナ制限なし:全ダンジョンが回数制限なく挑戦可能。「スタミナが回復するのを待つ」という概念自体が存在しない。どれだけ周回するかは完全に自分の判断次第。
  • マルチ武器の切り替え:キャラは特定のジョブに固定されておらず、戦闘中に近接武器と遠距離武器を自由に切り替えられる。二段ジャンプ、グラップリングフック、スライディングを駆使して空中を縦横無尽に飛び回れる。
  • コアとなるビルドシステム「魔の楔」:『Warframe』のModシステムに近い仕組みで、異なる魔の楔を装備することでキャラのスキルの挙動を根本から変えられる。状況に合わせてビルドを組み替えるほうが、汎用構成でごり押しするよりはるかに効率的だ。

中盤以降にコミュニティでよく見かけるビルドの方向性としては、ボス向けの二核爆発編成、雑魚処理向けの全体攻撃速攻編成、PvPで相手の主力を狙い撃つカウンター編成などがある。状況に応じて編成を切り替えながら、自分なりに試行錯誤していくのも本作の面白さのひとつだ。

方向性は良かった。でも詰めが甘かった

理念としては、多くのプレイヤーが抱えていた不満を的確に突いている。ガチャでキャラを引くストレス、スタミナ待ちの煩わしさ、どちらもない。ただ、そのアイデアを実際のプロダクトに落とし込む段階で、いくつか噛み合わない部分が出てしまった。

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まず、モバイル版の最適化が初期の段階でかなり厳しかった。 画質がぼやける、フレームレートが安定しない、端末の発熱が目立つ。操作の遅延感についてもずいぶん指摘されていた。ざっくり言えば、技術的な土台がゲーム性の野望に追いついていなかった。

PC版も完全に無傷とはいかなかった。メモリ使用量が重めで、コントローラーのボタン割り当てが自由に変更できず、環境によってはカクつきも発生する。Steamのレビュー欄でも、このあたりの不満は何度も目にする。

もうひとつ、ビジュアル面でのギャップもある。 キャラのイラストは本当に良くできている。ただ、実際のゲーム内モデルがそのクオリティに追いついていない。コミュニティでは「モデルが原画に土下座してる」なんて言われ方もしている。ちょっと言い過ぎかもしれないが、その感覚はわからなくもない。

一部のキャラやマップのデザインに『鳴潮』や『崩壊:スターレイル』を思わせるところがある点や、スキルビルドの枠組みが『Warframe』にかなり近い点については、ここでは踏み込まずに、気になる人は実際に自分の目で確認してみてほしい。

で、実際おもしろいの?

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ここまで外側の話をしてきたが、ではゲームそのものはどうなのか。

アートと音楽に関しては、ほぼ文句のつけどころがない。BGMの空気感は相当良くて、『NieR』シリーズを彷彿とさせるという声も見かける。キャラの機動力もかなり思い切った設計で、バレットジャンプ、グラップリングフック、スライディング、二段ジャンプと、とにかく空中を飛び回りながらスキルを叩き込める。見た目の派手さも操作の気持ちよさも、ちゃんと両立している。

じゃあなぜ途中で離れてしまう人がいるのか。

それは結局、本作が”周回ゲー”だからだ。魔の楔を集めるために同じダンジョンを何度も回り、ビルドを組んでは試し、また調整する。キャラ育成も「週単位」「月単位」で進んでいく。このゲームが提供しているのは、コツコツ積み上げてじわじわ強くなるタイプの達成感であって、5分でサクッと遊べるような気軽さではない。

「無料だし、ちょっとイラスト見てみようかな」くらいのテンションで入ると、メインストーリーが終わったあとに延々と続く周回ループに面食らうかもしれない。つまらないわけじゃない。合う人と合わない人の差がはっきり出るタイプのゲームだ。

半年経った今も、アップデートは続いている

ちゃんと続いている。

  • 1月20日にSteamに登場し、スマホではなくPCのクライアントで直接プレイできるようになった
  • 今年4月には初の大型アプデ「皓蒼訣」が配信され、新エリア「華胥」、メインストーリーの追加、フルスキンコンテンツが実装された。胡彦斌が歌う主題歌も同時リリース
  • 半周年記念イベントもあわせて開催され、それなりに配布もあった

リリース当初の評判は正直あまり良くなかったが、開発チームは沈黙せずに修正と更新を続けている。立ち上がったばかりのスタジオとしては、少なくとも「一発だけ当てて終わり」ではないという姿勢が見える。

どんな人に向いているか

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『デュエットナイトアビス』は、自分を少し変わった立ち位置に置いているゲームだ。無料でスタミナ制限なしという極限まで下げたハードルの奥に待っているのは、ハードコアな周回ゲーマーが何百時間も費やしてきた、あの世界そのものだ。

  • 周回ゲーがもともと好きで、装備を集めてビルドを組んで、少しずつ強くなっていく過程そのものを楽しめる人には、かなりのめり込める要素がある。PC版を推奨。
  • イラストに惹かれて、気軽にちょっとだけ覗いてみようと思ったライトなプレイヤーは、ストーリーとキャラを見るだけなら問題ない。ただ、メインストーリーの先に広がっている世界は、想像しているテンポ感とはかなり違うかもしれない。

本記事に掲載されているゲームのスクリーンショット、キャラクターデザイン、および関連素材の著作権はHero EntertainmentおよびPan Studioに帰属します。本記事はオリジナルの論評・キュレーションであり、転載の際は出典を明記してください。著作権に関するお問い合わせは yomiqo@126.com までご連絡ください。



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