『The Coma: Recut』レビュー|逃げて隠れて生き残る韓国学園ホラーは今でも遊ぶ価値がある?
発売日:2017年9月22日(Steam リカット版)|開発元:Devespresso Games|パブリッシャー:Digerati Distribution、eastasiasoft 他|対応機種:PC、PS4、Xbox One、Nintendo Switch|ジャンル:2Dサバイバルホラーアドベンチャー|価格:Steam版 約1,000円|対応言語:日本語、英語、簡体字中国語など
総合評価:2Dサバイバルホラーと「逃げる・隠れる」型のチェイスゲームプレイが好きなプレイヤーにおすすめ。
『The Coma: Recut』は、韓国の高校を舞台にした2Dサバイバルホラーゲームだ。最大の特徴は戦闘ではなく、「逃げる・隠れる・息を殺す」を軸としたサバイバル要素と、常に殺人鬼に見つかるかもしれないという緊張感にある。

数あるホラーゲームの中でも、韓国ホラーは独自の存在感を放っている。西洋ホラーのような直接的な暴力描写でもなく、日本ホラーのような不気味で陰鬱な作風とも異なる。韓国ホラーが得意とするのは、日常が静かに崩れ去っていくという絶望感だ。『The Coma: Recut』はその典型とも言える作品で、「試験中に居眠りをする」という何気ない日常を、決して覚めない悪夢へと変えてしまう。
試験中に居眠りしたら、学校が地獄に変わっていた
主人公ヨンホは、セファ高校のごく普通の生徒。期末試験前に徹夜で勉強したせいで、試験中にうとうとして眠りに落ちてしまう。目を覚ますと、すでに日は暮れ、校舎は誰もいない。しかし本当の恐怖はここから始まる——学校は「昏睡(コーマ)」と呼ばれる歪んだ鏡像世界へと変貌を遂げていた。かつての教師や同級生は彷徨う怪物と化し、そして英語の教師にそっくりな殺人鬼が容赦なく彼を追い詰める。

呪われた学校に閉じ込められたヨンホは、殺人鬼を回避しながら手がかりを集め、パズルを解き、この悪夢から脱出する方法を見つけなければならない。道中、彼は「幽霊防衛隊」を名乗る謎の少女・ハン・イェソルと出会い、彼女から重要な助言と支援を受けることになる。
逃げる、隠れる、息を殺す——武器を持たない生存術
『The Coma: Recut』のゲームプレイは、「逃げる」「隠れる」「息を殺す」の三つのアクションに集約される。

普通の高校生であるヨンホには、ほとんど戦う手段がない。殺人鬼に追われる中で、プレイヤーにできることは限られている:
- 逃げる:廊下や教室、校舎の構造を利用して殺人鬼を撒く
- 隠れる:物陰やロッカーに身を潜め、殺人鬼が通り過ぎるのを待つ
- 息を殺す:殺人鬼が近くにいる時に呼吸を止め、発見されるリスクを減らす
ゲームは2Dの手描き風サイドスクロール視点を採用し、緻密に設計された音響効果と光と影の演出によって強烈な恐怖感を生み出している。校内を探索しながらノートや地図の断片を集める一方で、背後から迫る足音にも常に耳を澄ませる必要がある。
複数のエンディング:探索の進み具合が運命を分ける
『The Coma: Recut』には複数のエンディングが用意されている。探索の進み具合や重要な選択によって物語は異なる結末を迎える。真のエンディングに到達するには、特定の条件を満たし、正しい選択をしなければならない。
複数のエンディングが用意されていることで、リプレイ性も高まっている。
リマスター版の進化:なぜ『Recut』を選ぶべきなのか?
『The Coma: Recut』は、2015年にリリースされたオリジナル版『The Coma: Cutting Class』のリマスター版だ。オリジナルと比較すると、リマスター版は以下の点で大幅に向上している:
- ビジュアルの向上:新規キャラクターCG、より精細な2D手描きテクスチャ、リマスターされた映像表現
- ゲームプレイの改善:新たなゲームシステムや操作性の改善により、探索と追跡からの回避がよりスムーズに
- よりダークな雰囲気:全体的に陰鬱なトーンが強まり、ラヴクラフト的な不気味さも加わっている
- プラットフォームの拡大:PCからPS4、Xbox One、Nintendo Switchへと対応機種が拡充
Steamでは『The Coma: Recut』は概ね好意的な評価を得ている。これからシリーズを始めるなら、『Recut』からプレイするのがおすすめだ。オリジナルのエッセンスを保ちつつ、いくつかの重要な点で体験が洗練されている。
『The Coma: Recut』はどんなプレイヤーに向いているか

こんなプレイヤーにおすすめ:
- 2D横スクロールのサバイバルホラーが好きな方
- 韓国の学園ホラー設定に興味がある方
- 「逃げる・隠れる」型のゲームプレイと緊張感のあるチェイスシーンを楽しめる方
- マルチエンディング作品が好きな方
- 短時間でしっかりとしたホラー体験を楽しみたい方(メインストーリーは約3〜5時間、探索やエンディング収集により変動)
おすすめしない方:
- 戦闘主体のアクションを求める方(本作には本格的な戦闘システムがほとんどない)
- 何度も死んでロードし直すのが嫌いな方
- チェイスシーンや隠れるプレイにストレスを感じる方
- AAA級のグラフィックや映画的なストーリーテリングを好む方
遊ぶ価値はあるか?
約1,000円、3〜5時間のプレイ時間で得られるのは、手に汗握る韓国の学園ホラー体験だ。決して完璧なゲームではない——ボリュームは控えめで、操作はやや単調に感じられることもあり、パズルデザインには古さを感じさせる部分もある。しかし「無防備な状態で追われる」という恐怖を的確に捉え、手描きの2Dアートと緻密に設計されたサウンドデザインによって、忘れがたい雰囲気を生み出している。
『返校』や『深夜廻』といった、探索と回避、そして雰囲気を重視した2Dホラーゲームが好きなら、『The Coma: Recut』は間違いなく試す価値がある。このリマスター版を皮切りに、続く『The Coma 2: Vicious Sisters』とシリーズ完結作『The Coma 3: Bloodlines』へと進むこともできる——セファ高校をめぐる物語は、シリーズ最終作『The Coma 3: Bloodlines』で完結を迎える。
著作権表示:
本記事で使用しているゲーム画面、キャラクター画像、および関連素材の著作権はDevespresso Games及びDigerati Distributionに帰属し、ゲーム紹介・レビューを目的として使用しています。
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