『Marvel’s Spider-Man 2』レビュー|インソムニアックの技術は光るも、ストーリーとPC移植が足を引っ張る
PS5発売日:2023年10月20日|PC発売日:2025年1月30日|開発元:Insomniac Games|パブリッシャー:Sony Interactive Entertainment|対応機種:PS5、PC(Steam、Epic Games Store)|ジャンル:アクションアドベンチャー|価格:Steam版 スタンダードエディション 8,580円|対応言語:日本語、英語、簡体字中国語、繁体字中国語など
『Marvel’s Spider-Man 2』は、一言で評価するのが難しいゲームだ。
技術面では、Insomniac GamesはPS5世代で最も印象的な作品の一つを届けた――ウェブスイングの操作感は依然として業界最高水準であり、ニューヨークの密度は圧倒的で、戦闘システムも驚くほどスムーズだ。しかしその一方で、ストーリーの賛否やPC移植のトラブルにより、このゲームは発売以来ずっと議論の渦中にある。

Metacriticのメディアスコアは90点(145メディア)、ユーザースコアは8.6/10。Steamでは約42,000件のレビューがあり、好評率は約82%。数字自体は悪くないが、ストーリー、PC移植、そして特定のデザイン選択をめぐる議論は決して収まっていない。
二人のスパイダーマン、一つの物語
『Marvel’s Spider-Man 2』最大のセールスポイントは、ピーター・パーカーとマイルズ・モラレスがシリーズ初めてダブル主人公として共闘する点だ。オープンワールド内でいつでも二人を切り替えられる。戦闘スタイルやスキルツリー、ストーリーの展開はそれぞれ異なる――ピーターはシンビオート強化と近接戦闘に長け、マイルズは生体電気能力と機動性に優れている。

ストーリーはシンビオートの脅威を中心に展開し、ヴェノムが主要な敵として立ちはだかる。ピーター、マイルズ、ハリー、ヴェノムの複数のストーリーラインが交錯し、スーパーヒーローとしてのアイデンティティと日常の狭間で葛藤する様子が描かれる。一部のメディアは、大作映画を思わせるスケール感や、シリーズらしい感情描写を高く評価している。
しかし、ここに最大の議論がある。
ストーリー:演出は一流、シナリオは賛否両論
ゲームフォーラムを少しでも見たことがある人なら、こんな意見を目にしたことがあるだろう:「演出は素晴らしいけど、シナリオはめちゃくちゃ」。

過激な言い方だが、『Marvel’s Spider-Man 2』のストーリーをめぐる議論の本質を的確に捉えている。Insomniac Gamesの技術力は依然として卓越している――カットシーンの映像美、表情キャプチャ、テンポの良さはどれも最高水準だ。しかし、脚本そのものについては多くのプレイヤーが納得していない。
批判は主に以下の点に集中している:
ピーターが軽視されているという声がある。シリーズの主役であるピーターは、今作で延々と苦難を強いられ、中には「このスタジオはピーターをどれだけ嫌っているんだ?」と疑問視するファンもいる。マイルズの出番が多すぎて、ピーターの存在感が薄れてしまったと感じる声もある。
ヴィランが賛否を分けている。クレイヴン・ザ・ハンターについては「動機が不明瞭でキャラクター設定に一貫性がない」と批判する声がある。ヴェノムも主要な敵でありながら「急ぎ足で平板な描写」と評されている。
ペース配分の問題。後半が駆け足になり、前半はクレイヴンのストーリーラインでごちゃごちゃしている。全体的に、前作ほどストーリーがまとまっていないと感じるプレイヤーも少なくない。
多様性をめぐる議論。一部のプレイヤーは、特定のキャラクターやサイドコンテンツの選択が作為的に感じられ、ストーリーの没入感を損なっていると指摘している。
もちろん、ストーリーを「テンポが良く、感情に訴えかける」と評価する声もある。興味深いのは、肯定的な意見は演出や感情表現に言及することが多く、否定的な意見は脚本そのものを批判する傾向がある点だ。
ウェブスイングは最高、戦闘も着実に進化
ストーリーの議論はひとまず置いておこう。ゲームプレイと技術的な基盤はほとんど文句のつけようがない。

前作をプレイした人ならわかる――ニューヨークをウェブスイングで駆け抜けること自体が楽しみだ――そしてその感覚は続編でさらに強化されている。新たに追加されたウィングスーツグライダーにより、高層ビルの少ないエリアでも空中を移動し続けられ、探索がより立体的でダイナミックになった。
戦闘システムも、スパイダーセンス、回避、パリィ、空中コンボといったおなじみの要素をすべて継承しつつ、新たなレイヤーを追加している。シンビオート能力によりピーターはより攻撃的な戦闘スタイルを獲得し、マイルズの生体電気能力とは対照的だ。ボス戦も前作より多様で激しくなっている。
オープンワールドの「お使い」感は前作と比べて和らいでいる。プラチナトロフィー獲得までのプレイ時間はおおよそ20〜30時間で、飽きが来る前にテンポよく進むように設計されている。
PS5版は最高水準、PC版は発売時に苦戦
『Marvel’s Spider-Man 2』が最も分かれるのはこの点だ。

PS5版は完成度が非常に高い。Metacritic 90点、IGN 8点、GameSpot 8点。批評家からは「PS5の性能を存分に引き出した技術力のショーケースの一つ」と称賛された。DualSenseの触覚フィードバックとアダプティブトリガーも効果的に活用されている。
PC版は別の話だ。2025年1月30日にSteamでリリースされると、プレイヤーはフレームレートの不安定さ、クラッシュ、さまざまなバグといった多数のパフォーマンス問題に直面した。DLSSは影や髪の毛のちらつきを引き起こし、レイトレーシングはGPUに異常な負荷をかけた。発売直後の好評率は50%台にまで落ち込み、移植の品質に対する批判が広がった。
とはいえ、Nixxes Softwareは2026年にかけて複数のPCパッチをリリースし、クラッシュ、パフォーマンス、レイトレーシング、ビジュアル問題に対処してきた。また、2026年7月28日のアップデート(v1.005.000)では、Fresh Startスーツを含む2つの新スーツと、PS5 Pro向けの強化版PSSRサポートが追加された。継続的な修正により、Steamレビューは大きく回復し、現在は全体評価が「非常に好評」となっている(約42,000件のレビュー、好評率約82%)。
とはいえ、PC版の発売当初に発生した問題は、今なおこの移植版をめぐる大きな論点の一つだ。
2026年、今から買うべきか?
PS5を持っているなら:迷わず買おう。プラットフォーム最高峰の独占タイトルの一つであり、技術面の体験は文句なしだ。
PCで遊ぶなら:2025年の発売当初と比べれば、現在はかなり快適にプレイできる。Nixxesは複数のパッチで安定性、パフォーマンス、ビジュアルの問題のほとんどに対処している。とはいえ、フレームレートの安定性やレイトレーシング、ハードウェア互換性に特に敏感な人は、具体的な構成や今後のパッチ情報を確認したほうがいい。
Steam版スタンダードエディションは8,580円で、過去最安値は約5,700円。急いでいなければセールを待つのも手だ。
こんなプレイヤーにおすすめ
おすすめできる人:
- オープンワールドアクションゲームが好きな人
- ウェブスイングで街を自由に駆け回るのが好きな人
- 高い技術力、スムーズな戦闘、美しい映像表現を重視する人
- PS5を持っている人(最高の体験)
おすすめしない人:
- まとまりのあるストーリーに高い期待を持つ人
- ゲーム内の政治的・社会的テーマに敏感な人
- PC版の最適化問題に一切の妥協ができない人
- 革新的な進化を期待している人(本作は「進化」であって「革命」ではない)
買うべきか?
『Marvel’s Spider-Man 2』は、「最高水準の技術と欠点のあるシナリオ」という典型例だ。Insomniac Gamesはウェブスイングのメカニクス、戦闘の流れ、映像の美しさ、オープンワールドデザインにおいて依然としてトップレベルにある。しかしストーリーの賛否、ピーターの扱い、PC版発売時の混乱は、このタイトルが普遍的に愛されることを妨げてきた。
壮大なビジュアルとスペクタクルに満ちた大作映画のような体験を楽しめるなら、プレイする価値は十分にある。ストーリーを最優先するプレイヤーや、PCでプレイしてパフォーマンスに敏感な人は――パッチを待ち、セールを待ち、あるいは完全にスキップするのも選択肢だ。
著作権表示:
本記事で使用しているゲーム画面、キャラクター画像、および関連素材の著作権はInsomniac Games及びSony Interactive Entertainmentに帰属し、ゲーム紹介・レビューを目的として使用しています。
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