2011年5月19日、主人公が敵の服を剥ぎ取って吸血鬼を倒すというゲームが、ひっそりとPSPで発売された。
それから15年。アクワイアは、『アキバズトリップ』シリーズの全世界累計販売本数が100万本を突破したと発表した。パッケージ出荷数とダウンロード販売数の合計だ。携帯機から始まり、ニッチな題材で一歩ずつ支持を築いてきたタイトルが、同じ路線で15年間も踏みとどまり続けたこと自体、ちょっとした奇跡のような話である。

そしてこのシリーズの本当の主役は、どの英雄でもない。世界中に名を知られるあの電気街――秋葉原だ。
シリーズ概要:5作品と1本のアニメ
『アキバズトリップ』シリーズは、5本のゲーム作品と1本のテレビアニメで構成されている。開発はいずれもアクワイア。『天誅』『侍道』『オクトパストラベラー』などを手がけた日本の老舗スタジオだ。

| 年 | 作品 | プラットフォーム |
|---|---|---|
| 2011年 | 初代『アキバズトリップ』 | PSP |
| 2013年 | 『アキバズトリップ2』 | PS3 / PS Vita |
| 2017年 | テレビアニメ版 | Gonzo制作 |
| 2021年 | 初代リマスター『Hellbound & Debriefed』 | PS4 / Switch / Steam |
| 2023年 | 続編リマスター『Undead & Undressed Director’s Cut』 | PS4 / Switch / Steam |
ストーリー:ひたすらバカをやり通す
このシリーズが壮大な物語を目指したことは一度もない。各作品の基本的な筋立ては同じだ。主人公が吸血鬼の力を得た後、「カゲヤシ」と呼ばれる人知れず秋葉原に潜む存在の拡大を阻止するため、仲間たちと共に街中で戦いを繰り広げる。
プロットの主な役割は、主人公をある喧嘩場所から次の喧嘩場所へと引っ張っていくことだ。深い話を語ろうとしているわけではない。戦闘というドタバタ劇とルート分岐を支えるための、物語上の足場に近い。どのパートナーを選ぶかによってマルチエンディングに分岐する仕組みは、ルートの構成にいくらかの幅を持たせている。

中核となる遊び:あらゆる衣服を剥ぎ取れ
戦闘システムは最も直感的な魅力であり、このシリーズが決して振り払えない看板でもある。

上・中・下段の三段攻撃:戦闘の基本ロジックは、上段・中段・下段の三つの攻撃部位に集約される。手動で攻撃部位を切り替え、敵の対応する部位の衣服の耐久度を削っていかなければならない。考えなしに連打しているだけではダメージが各部位に分散し、なかなか脱がせられない。一点に集中攻撃を叩き込んで防御を突破し、そこに対応する脱衣技を繋げば、数秒で敵を頭から爪先まで丸裸にできる。
流れるようなコンボ連携:攻撃を繋いで必殺技を叩き込み、一気に広範囲の衣服を剥ぎ取ることもできる。防御ボタンを押し続ければ自動で回避し、回避の瞬間に敵と同じ攻撃ボタンを押せばカウンターが発動する。リマスター版では、さらに悪ふざけの効いた脱衣技が追加された。
道行く通行人もストリップの渦に:街中には一般市民の通行人も大勢歩いており、彼らに脱衣攻撃を仕掛けることも当然できる。服を剥がれた通行人は悲鳴を上げて体を隠しながら走り去り、装備品を置き去りにする。拾えば自分のものだ。もっとも、罪のない人々を脱がせれば相応の厄介ごとも招く。こうして秋葉原の街全体が、お祭り騒ぎのような無法地帯へと変貌する。
コスプレと収集:敵や通行人から剥ぎ取った衣服はすべて自分のキャラクターに着用できる。組み合わせて自分だけの秋葉原スタイルを作り上げる着せ替えと収集は、シリーズファンが口を揃えて語る楽しみのひとつだ。
ひとつ重要な注意点がある。敵もまた、こちらを脱がせようとしてくる。もし脱がされれば、主人公は路上に下着姿で立ち尽くし、即ゲームオーバーだ。
なぜ15年も生き残れたのか:本当の主役は秋葉原
吸血鬼を脱がせるだけのシリーズだったら、おそらく10年は持たなかっただろう。

『アキバズトリップ』を本物の異色作にしているのは、秋葉原そのものをシリーズ全体の核に据えている点だ。アクワイアは多数の実在店舗と提携し、JR秋葉原駅周辺の街並みや主要な商業ストリート、有名店舗の外観を忠実に再現してきた。日本のメディアは、このシリーズが過去15年にわたって秋葉原の変わりゆく景色と共に歩み続け、街の文化や空気感を記録するアーカイブ的な価値すら帯びるようになったと指摘している。
ここにこそ、何にも代えがたい吸引力がある。あなたが買っているのは、モンスター退治のゲームではない。2011年から2023年までの秋葉原の風景を、いつでも好きな時に再訪できるチケットなのだ。メイド喫茶や電気街、アニメショップを第二の故郷のように感じているプレイヤーにとって、目的もなくバーチャルの秋葉原をぶらつくこと自体が、何よりの楽しみなのである。
実際のところ、面白いのか?
率直に答えよう。このゲームの体験は、極めて人を選ぶ。もしその美的感覚に共鳴できなければ、おそらく3時間も持たない。
粗い部分:PSPの初代作はやはり古さを感じさせる。リマスター版は高解像度化されているが、根っこは十数年前の携帯機用ゲームだ。戦闘中にカメラが突然暴れ、ターゲットを見失うこともある。完璧に敵を捉えたと思った瞬間、カメラがブレて、気づけば敵に脱がされている、なんてことも起きる。多くの分岐エンディングは選択したパートナーに厳密に紐づいており、ルートを間違えればセーブデータを読み込み直すしかない。
しかし、このシリーズなりの美学がある:このゲームは、高い評価を得るアクションRPGになろうとしたことなど一度もない。最初から最後まで自分が何者かを正確に理解しており、自分のバカ路線に完全に忠実だ。作中には当時実在した店舗や看板が大量に収録され、テレビからは実際のゲームPVが流れる。秋葉原カルチャーに詳しい人なら、あらゆる看板が小ネタに見えてくる。これほど純粋で、一切の言い訳をしないカルト的なユーモアは、今も市場に代替品が見当たらない。
100万本は、大作の数字と並べれば取るに足らない。しかしPSPから始まり、ニッチな題材と風変わりな遊びで評判を積み上げてきたシリーズにとって、このマイルストーンは確かな重みを持っている。
15周年と100万本の二つの節目を記念して、Steamでは現在、初代リマスター『Hellbound & Debriefed』デラックス版が70%オフ、続編『Undead & Undressed』が60%オフで販売されている。吸血鬼を脱がせるこの風変わりなシリーズに少しでも興味が湧いたなら、飛び込むのにこれ以上ないタイミングだ。
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