『鬼武者 Way of the Sword』――20年ぶりに“一閃”が帰ってきた
2026年9月4日、『鬼武者 Way of the Sword』(Onimusha: Way of the Sword)が世界同時発売された。2006年の『新 鬼武者 DAWN OF DREAMS』以来、実に20年ぶりとなるシリーズ最新作だ。
発売初日、全世界での販売本数は100万本を突破し、シリーズ累計販売本数は1000万本を超えた。IGNは10点満点を付け、「信じられないほどのアクションゲームであり、それに見合った素晴らしいストーリーを備えている」と評した。本稿執筆時点で、Metacriticの各プラットフォームスコアはいずれも80点以上を記録している。

数字の向こう側にある、もっと興味深い問いはこれだ。20年という歳月を経たアクションゲームのIPは、2026年のいま、どうやって「いまでも通用する」ことを証明すればいいのか。
引き算のデザイン:一振りの刀、三つの防御、一つの“一閃”
カプコンの答えは――引き算だった。
シリーズおなじみの複数武器切り替えシステムは廃止され、戦闘の核は一振りの刀に集約された。

これはリスクの高い選択だ。一振りの刀は、一つの攻撃リズムを意味する。そのリズムに深みがなければ、戦闘はすぐに単調になる。カプコンは、その刀そのものを徹底的に深くすることで応えた。
攻撃は片手攻撃(軽攻撃)と両手攻撃(重攻撃)に分かれており、コンボ中にシームレスに切り替えられる。防御の軸となるのは三つのアクションだ――受け流し(敵の体勢を崩し、隙を作る)、弾き(敵のバランスゲージを効果的に削り、飛び道具すら跳ね返せる)、そして回避(完璧な回避でリソースを蓄積する)。敵のバランスゲージを完全に削り切ると、「崩し一閃」 が発動可能になる――ほとんどの通常敵を一撃で仕留める処刑技だ。シリーズの代名詞である 「一閃」 ももちろん健在だ――敵の攻撃が当たる直前の一瞬に斬り込む、高リスク・高リターンの致命反撃。
このシステムが機能するのは、敵のあらゆる攻撃が、プレイヤーにとって反撃の起点になるからだ。刀と刀がぶつかり合う一瞬一瞬が、相手の動きを読み、先を見極め、タイミングを測る勝負になる。GameSpotも本作の戦闘を現代アクションゲームの上位に位置する出来だと高く評価している。IGNはこのゲームが「『習熟』そのものを核となる楽しみにしている」と指摘している。
宮本武蔵:英雄になりたがらない主人公
今作の主人公は宮本武蔵だ。

だが、これは『五輪書』を書いた歴史上の武蔵でも、『バガボンド』に描かれた悟りの剣豪でもない。もっと若く、好戦的で、傲慢な武蔵――日本一の剣豪であることを証明することに執念を燃やす男だ。IGNのレビューは的確に言い表している。武蔵は「生まれつきの英雄ではなく、ただ剣技を磨き、強敵に挑みたいだけなのに、人を救う責任を背負わされる」存在だと。
物語は武蔵が京に到着するところから始まる。決闘に勝利した直後、彼は幻魔の軍勢に襲われ、瀕死の重傷を負う。そこへ現れた謎の老人によって蘇生され、「鬼の籠手」 ――敵の魂を吸収できる装備――を無理やり装着される。籠手の中には静香という名の女性の魂が宿っている。武蔵は籠手を捨てたいと願うが、幻魔は京を蝕んでおり――戦う以外に選択肢はなかった。一方、宿敵佐々木小次郎もまた、人間の魂を喰らう籠手を手に入れる。
アクションゲームとしては、キャラクター描写が非常に優れている。武蔵は粗野で傲慢、自信過剰でありながら、なぜか憎めない。その外見や動作は、日本を代表する名優・三船敏郎に強く影響を受けている――後頭部をかく仕草や歩き方に至るまで。これらのディテールは、武蔵を、単に歴史上の人物をゲーム化しただけの存在ではなく、独自の個性を持つキャラクターとして成立させている。
レビュースコアの分かれ目はどこか?――セミオープンワールド
主要メディアの戦闘に対する評価はほぼ一致している――傑出している。本当の争点はセミオープンワールドの設計にある。

本作は戦闘以外に、複数の地域を移動し、サイドクエストを受け、リソースを収集できるセミオープンな構造を採用している。問題は、オープンワールド部分は、戦闘システムほどの完成度に達していないことだ。探索しても得られる見返りが少なく、サイドクエストも往々にして型にはまり、繰り返しが目立つ。GameSpotは、セミオープンワールドを本作の明らかな足かせだと評した。
これが、IGNが満点を付けた一方で、GameSpotは8/10だった理由を説明している――どちらも戦闘は愛したが、オープンワールドやサイドコンテンツへの許容度が異なったのだ。メインストーリーを追うことに集中するプレイヤーにとっては、これらの問題はそれほど気にならないかもしれない。だが、『Ghost of Tsushima』のように探索と戦闘が同等に魅力的な体験を期待している人にとっては、そのギャップは明らかだ。
購入判断:『鬼武者』に何を求めるかで決まる
Steamでの価格は、スタンダードエディションが8,990円、デラックスエディションが9,990円、プレミアムデラックスエディションが10,990円となっている。

購入する価値があるかどうかは、『鬼武者』に何を求めているかに尽きる。
刀と刀の鍔迫り合いを求めるなら――ここにこそ本作の真価がある。戦闘システムは極限まで磨き上げられており、「一閃」は単なるノスタルジーではない。ゲーム体験そのものを支える中核になっている。
豊かなオープンワールド探索を期待するなら――期待を調整したほうがいい。本作の強みは戦闘にあり、セミオープンワールドやサイドコンテンツはその輝きを放つ場所ではない。
新たな「一閃」がどんなものか、とにかく確かめてみたいだけなら――無料の体験版がすでに配信されている。システムが自分に合うかどうかを判断するには、それで十分すぎるほどだ。
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