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『望月』先行体験レポート:月霊はペットではなく市民だった――都市オープンワールドRPGの可能性を探る


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yomiqo 2026-06-22 13

『望月』を「広州版『異環』」と呼ぶ人もいるが、それは半分しか当たっていない。

多くの人は『望月』を『異環』の直接的な競合と見ている。だが実際に試遊してみて最も強く感じたのは、この2つの都市オープンワールドRPGはまったく異なる方向に進んでいるということだ。

約1年半の開発期間を経て作り直された本作の最大の特徴は、オープンワールドそのものではなく、月霊システムにある。『望月』の世界では、月霊はペットではない。都市の住人だ。

6月19日、『望月』は広州で初の公開オフライン試遊会を開催した。会場の周りには何重にも列ができ、2階や3階のバルコニーにも見物客が詰めかけた。試遊を終えたプレイヤーの間で最も話題になっていたのは、オープンワールドの広さではなく、月霊システムそのものだった。

月霊は“捕まえる”ものではなく、“知る”ものだ

「捕獲」要素のあるゲームの多くは、同じ流れだ。遭遇する、戦う、ボールを投げる、図鑑に登録する。『望月』はそこから外れている。

月霊たちは街で普通に生活している。買い物をしたり、車を運転したり、日向ぼっこをしたり。通りを歩いていると、月霊がゆったりと車を運転している姿に出くわす。それはペットではない。住人だ。もしただ歩いていって捕まえられるのなら、世界観そのものが崩れてしまう。

だからプレイヤーは直接捕まえる代わりに、主人公の能力「月瞳」を使って月霊の感情や思考を感じ取り、断片的な情報を研究手帳に集め、少しずつ各月霊の全体像を組み立てていく。混沌に蝕まれ、街でトラブルを引き起こしている月霊だけが、捕獲可能な対象となる。

この設計の面白いところは、「月霊を研究する」という行為自体がプレイ可能なコンテンツになっていることであり、単なる図鑑の穴埋めではないという点だ。

広州は背景ではなく、街そのものだ

『望月』の世界は2つの空間で構成されている。広州をモデルにした現代都市「天月市」と、歪み変異した異界「月門」だ。

デモ版でプレイ可能だった「南崗区」は、広州の旧市街の風情を再現している。騎楼や伝統的な嶺南建築の特徴的な要素が随所に見られる。走っている車にも広州らしさがある。最新のEVから、広州人のDNAに刻まれたクラシックモデルまで。

この親しみやすさは、観光名所を並べることで生まれているわけではない。街路の細かな質感から立ち上ってくるものだ。

広州を選んだのは、開発チームがこの街で暮らしているからというだけではない。広州という街の持つ包摂的な気質が、「月霊と人間の共存」という『望月』の根幹にある設定と自然に響き合う。背景として都市を選んだのではなく、都市の性格をゲームの根幹に組み込んでいるのだ。

キャラクターデザイン:職業が武器になる

『望月』のキャラクターデザインの哲学は明確だ。都市の職業がアイデンティティになる。

デモ版では4人のプレイアブルキャラクターが用意されていた。主人公(万事屋)、宅配員の来来、花屋店員の林瓏、テニスプレイヤーの凌北境。

宅配員の武器は改造されたバーコードスキャナーだ。一見すると銃に見えるが、実際はスキャナーの先端に攻撃用のヘッドが取り付けられている。テニスプレイヤーのラケットは実際の張力数まで再現されており、シューズも現役プロ仕様をベースにしたカスタムモデルだ。主人公の能力「創造」は、手近な物を瞬時に武器に変える——ドライバー、棍棒、そしてスクラップパーツを組み合わせた合体武器を生み出す必殺技まで。

この設計の狙いは明確だ。プレイヤーがキャラクターを見た瞬間に「これは『望月』のキャラクターだ」と分かるようにすること。どのゲームにでも入れられる汎用テンプレートではない。

月霊のデザインも同じロジックに従う。動物の特徴と中国の都市文化の断片を組み合わせる。コーギーがお尻をぷりぷり振る癖から「電」と「コード付きモバイルバッテリー」を連想し、「加電汪」が生まれた。麻雀牌の「一鶏」から生まれた「一条雀」は、「東南西北中」と書かれた牌を投げて「碰」と叫ぶ攻撃をする。

動物と現代都市生活の身近な要素を混ぜることで、一瞬でその個性が伝わる。

戦闘:月霊合撃が核になる

戦闘システムは3人+3体の月霊をローテーションする形式だ。異なるキャラクターと月霊の組み合わせで陣営ボーナスが発動する。操作感は滑らかで、攻撃、スキル、回避、QTEの判定は比較的寛容であり、敷居は高くない。

戦闘の核となるループは「月霊合撃」だ。キャラクターのスキルコンボを決めると、リズムゲームのようなQTEが発動する。タイミングよく入力すると、高いシールド破壊ダメージを与えられる。そしてダメージを与え、再びコンボを繋ぎ、また合撃を決める。

デモ版を見る限り、このループは既に完成された枠組みを持っている。キャラクターと月霊の数が増えれば、編成の深みと構築の自由度はさらに広がる可能性がある。

ボス戦は強い印象を残す

アクションシーンの映像的なインパクトも特筆すべき点だ。最初のボス「織亡者」は傀儡に変身する際、主人公を脚で拘束する演出を挟んでくる。現代のゲームが提供するスペクタクルの密度に慣れていても、このアニメーションは驚くほどの強烈さで心に残る。

『望月』と『異環』の違いは何か?

『望月』と『異環』はどちらも都市オープンワールドRPGであり、2026年のアニメゲーム市場の大型タイトルとしてよく比較される。

だが両方プレイしてみると、両者が異なる方向に向かっていることは明らかだ。

『異環』は現時点では「都市+戦闘」に寄っている。街は舞台であり、戦闘と映像演出が中心になっている。『望月』の差別化要素は「月霊システム」と「街の感覚」だ——プレイヤーに街でクエストをこなすだけでなく、実際に街に住む体験を提供しようとしている。

月霊はコレクション対象ではなく、街の住人として存在している。もしこの設計哲学が完全に実を結べば、『望月』と『異環』はもはや同じジャンルのゲームですらなくなるだろう。

「-1.0」からの再構築

『望月』は最初から今の形だったわけではない。

2025年初頭の初回内部テストでは、プレイヤーからのフィードバックは厳しいものだった。アートディレクションの一貫性の欠如、キャラクターのアイデンティティの弱さ、都市と月霊システムの間に本当の繋がりがないこと。開発チーム自身がそのバージョンを「-1.0」と名付けた——彼らが目指していた場所から、まるまる1バージョン分後退した状態だった。

詩悦網絡は押し切るのではなく、一旦停止した。パイプラインは破棄され、レンダリングスタイルは全面的に変更され、キャラクターデザインはゼロから始められた。

開発チームは数百人規模とされており、初回テスト時よりも明らかに開発体制が強化されている。主要なパイプラインのほとんどはゼロから構築された。既存のプロジェクトに頼ることも、既成の解決策をコピーすることもできなかった。今回の試遊にまで辿り着けたという事実は、少なくとも方向性が正しいことを示している。

待つ価値はあるか?

『望月』はまだ開発途中であり、完成形ではない。今回のデモは1つの地区、4人のキャラクター、少数の月霊だけを提供した。月霊の経営シミュレーションやより深い都市インタラクションのシステムはまだ完全には公開されていない。しかし方向性は明確だ。「より大きな」オープンワールドではなく、温かみのある都市と、命ある月霊だ。

もしこのビジョンが完全に実現されれば、『望月』は混戦する市場の中で独自の立ち位置を確立するだろう。

現時点で公式なリリース日は発表されていない。

著作権表示:
本記事で引用されているゲームのスクリーンショット、キャラクターイメージ、関連素材の著作権は詩悦網絡(Shiyue Network)およびその権利者に帰属します。



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